※撮影時以外はマスクを着用の上、感染症対策を実施しております。 大事なお知らせがある。俺は2016年7月にスタートした赤星★探偵団をこのラスト散歩で退団する。今まで応援及びご一読していただいた皆様、心からアニがとうございました。退団後は赤星★私立探偵のニューアニキとして勝手に活動していくのでNO AKABOSHI, NO LIFE. ということだ。そんな最終回はほとんどメディアに出ることはない浅草観音裏の名店、ニュー王将だ。
油断できない世の中でも、朝がこない夜はない。やまない雨はない。いつか浅草にも日常が訪れるだろう。
こんな時は、ひとり飲みがいい。サクッと飲んでサクッと店を去るいつものアニスタイルだ。仲見世通りを観音裏へ歩きさよならの向こう側が近づいていく。
路地裏にひっそりと光る看板。
浅草の夜空を見上げると目に入る和・洋食喫茶の文字。
強烈な浅草グルーヴは相変わらずだ。正直にいうと今日で2回目の訪店だ。決して俺は常連ではない。
2016年の1本目はストライプのグレースーツで中目黒の藤八だった。赤星への敬意と感謝を込めてフランネルのストライプグレースーツを着てみた。初心を忘れてはいけない。
通常は常連客が利用するカウンター席に特別に座らせていただく。なんて光栄なことだ。
初訪店の時は、あまりのメニューの多さに自分を失ってしまった。手書きのボード以外にも壁一面に洋食を中心としたメニューがある。
俺はあの感動を思い出していた。はじめてニュー王将に来た時にアニ気絶したあれをマスターにオーダーする。
マリリンに背中を見つめられながら。
まぐろ刺身のクオリティが信じられないくらい高くてウマすぎる!
トロトロッと口の中でまぐろが溶けていく中、ラスト赤星を流し込む。
ファンタジーすぎるカニサラダ。これだけで永遠にルービーが飲める味付けがたまらない。俺の中ではキングオブサラダと言える絶品だ。
男にはひとりになる時間が必要だ。孤独を味わい現実を見つめじっくり考える。そんな時間を経て男は走り続けることができるのだ。
カウンター越しにマスターを見つめつづける。今は心で会話すればいい。なんて贅沢なひとときだ。
なんて美しい赤いウィンナー炒めだ。完璧な形状とセクシーな艶がたまらない。なんでもない赤いやつなのにここのこいつは別次元でウマすぎる。
大人になってもガキの頃に赤いウィンナー炒めを食べたあの感動を忘れたくないものだ。
俺が今まで食べたメンチ至上でキングオブメンチと言えるのがニュー王将のメンチカツだ。開店当時からある人気メニューでハンバーグをメンチカツにしたら美味いはずという発想から生まれたマストな絶品。
サイドのポテサラも言うまでもなく素晴らしい。
溢れ出る肉汁に心が震える。新鮮な牛肉と豚肉を独自配合し、パン粉は特注するこだわり。揚げる油もこまめに替えている。
強烈にウマすぎてアニ気絶の向こう側へ。もうメンチグルーヴ以外何もない。俺の中でニューアニキも食べたがっている。
はじめてのソース炒飯。初訪店の時はカニピラフで気絶したが今回の〆はこっちにしようと最初から決めていた。ソース味の炒飯はどんな味なのか?
なんじゃこりゃあ!の衝撃でソース気絶!今まで味わったことない新しくて懐かしいウマさだ。和洋食店らしい炒飯ということで開発されたオリジナルメニューとのこと。
マスターの飯田さんは常連から「やっちゃん」と呼ばれている。六本木のレストランや浅草のロシア料理での経験を経て、和洋食の食堂として1977年に開店し飯田さんが一代で築いたお店だ。1977年といえばSHIPS銀座店がオープンした年と同じでもある。今回基本的にはメディアに出ないお店だが、私がお世話になっているHさんとKさんのお力添えで特別に取材が実現した。これは運命なのかもしれない。気になる店名の由来は飯田さんの親戚のおじさんの命名で、「お前は新しい王様になれ=ニュー王将」ということらしい。休日には日々食べ歩きをして、そこから得たアイデアを新しいメニュー開発に活かしているため、気がつくと大量のメニューになってしまったとのこと。常に新しいことに挑戦する素晴らしい姿勢を俺も学ばなければいけない。飯田さん、取材協力していただき心からアニがとうございました。
最後に退団するアニキから赤星★探偵団後任のアネキをソーシャルディスタンスで紹介しよう。
まずは引き継ぎの乾杯を!
飲み友達でもある酒場の女神こと倉本康子さんだ。相変わらずルービーを飲む姿がイイネ!
赤星のバトンを頼むぞ、やっこ! サッポロビールの皆様、講談社の皆様、ロケカメラマン皆様、そして取材協力していただいた全てのお店の皆様へ心からアニがとうございました。最&高な赤星を探す散歩でした。そして最後まで読んでいただいた皆様、これからも赤星と赤星★探偵団を何卒シクヨロお願いします。
Text:Eiji Katano Photo:Shimpei Suzuki