暑くてもコットンスーツをさらっと着こなす男でいたい。それがダンディズムだ。白シャツに黒のニットタイを締め、素足にドレスシューズ。スーツのシワも気にせず味にしてしまえばいい。 そんなお気に入りのスーツスタイルで向かったのは茅場町にひっそりと佇む立飲み老舗酒場「ニューカヤバ」だ。駐車場としか思えない店構えに吊るされた提灯を目指す。
昭和遺産的なオーラが強烈だ。はたしてこの中に酒場があるのだろうか。一気に昭和へワープだ。
ほとんどのメニューが300円以下の衝撃。これぞリアルセンベロの世界だ。
昭和ヴィンテージ級のカウンターで注文。全てがキャッシュオンデリバリースタイル。
つまみはカウンターに並んでいるものから注文。楽しすぎる。
赤星とつまみをセルフで買い、円卓テーブルに。
蛸ブツで、まずは至福の一杯。
立飲みが美味すぎる。
ガラスケースに焼き鳥が….そう、自分で焼くのだ。さらに楽しすぎる。ワクワクが止まらない。
飲みながら炭で焼く俺の焼き鳥。
半分くらい焼けたところでタレをつける。
いい感じに焼けてきた。
俺の焼き鳥、完成!!!
やばい。やばすぎる。俺が俺であるために焼きあげた焼き鳥が美味すぎる47の夕方。
そろそろここの名物アトラクションを楽しもう。昭和ヴィンテージな酒の自動販売機だ。
ガキの頃、100円玉をにぎりしめ通ったゲームセンターのようだ….名古屋打ち!!!
おおおお!!さらにさらに楽しすぎる!!
麦焼酎の和ら麦を水割りで。ソーダ割りではなくメモリーグラスな「水割りをください~♪」をセルフで。
美味すぎる。立飲みの原点を味わいながら、ここで酔いがまわる前に俺が愛する「ニューカヤバ」の話を。
元々茅場町の酒屋にあった立飲みコーナーが「カヤバ」。正統な角打ちだ。その後、酒屋は閉店し、立飲みコーナーのみが移転開店し「ニューカヤバ」となった。
創業は昭和39年、東京オリンピックの年からいまも変わらず約50年間、昭和文化を保っている。
初代創業者のオヤジさんは数年前に他界し、今は奥さんと娘さんがその精神を受け継ぎ営んでいる。
ちなみに「ニューカヤバ」は女性のみの入店はできない。本物の立飲みは働き疲れた心を癒してくれる男の世界なのだ。オヤジさんの創業時からのポリシーで今も変わらない。ただし男性と同伴であれば女性も入店することはできる。
壁には娘さんがつくった手ぬぐいが飾られていた。「赤星と共に50年」。オヤジさんも天国で喜んでるだろう….。
ユナイテッドアローズ/ザ ソブリンハウスのスーツ。コットンスーツは、やはりベージュが王道。あえてタイドアップして、さっそうと着こなしたい逸品。
Photo:mamoru ichikawa
Text:Eiji Katano